滝川市立図書館スタッフがおすすめする『今がヨミドキ!』
令和3年11月9日に、作家で尼僧の瀬戸内寂聴さんが死去されました。数々の男性との恋愛や、尼僧になってからは説法を通して愛を伝えるなど、愛に生きた瀬戸内寂聴さんに関する本をご紹介します。
「あちらにいる鬼」
井上 荒野/著
朝日新聞出版
著者・井上荒野さんの父であり、自身も作家である井上光晴さん。その妻であり荒野さんの母親である女性と、かつて光晴さんと長きにわたり男女の関係にあった瀬戸内寂聴さんという、二人の人物を彷彿とさせる女性の視点から、彼らの長きにわたる関係と心模様の変化を深く掘り下げた小説が、今回ご紹介する「あちらにいる鬼」です。
瀬戸内寂聴さんはこの本の帯に「モデルになった私が傑作だと感動した名作。」という言葉を寄せています。
著者が5歳の時から始まった関係を、大人になった今見つめ直し、描かれた様々な"愛の形”をとおして、瀬戸内寂聴さんを偲んでみませんか。