滝川市立図書館
小さな親切の日
6月13日は「小さな親切の日」
1963年3月の東京大学の卒業式で、茅誠司総長(当時)は卒業生向けて次のような言葉を送りました。
「『小さな親切』を、勇気をもってやっていただきたい。そしてそれが、やがては日本の社会の隅々までを埋めつくすであろう親切というなだれの芽としていただきたい。大学で学んだ様々な知識や教養を、ただ頭の中に百科事典のように蓄えておくだけでは立派な社会人とはなれません。その教養を社会人としての生活の中に生かしていくには、やろうとすれば誰でもできる『小さな親切』を絶えず行っていくことが大切です。『小さな親切』はバラバラな知識を融合させる粘着剤の役目を果たすのです。」
茅誠司と告辞に感銘を受けた人々が提唱者となり、卒業式から3ヶ月後の6月13日を「小さな親切の日」とし、「小さな親切」運動はスタートしました。
「どうぞのいす」
香山 美子/作 柿本 孝造/絵
うさぎが小さないすを作り、みんなに座って休んでもらえるように「どうぞのいす」という立て看板をつけて木の下に置きました。ろばがいすの上にどんぐりを置くと、「どうぞ」と書いてあるため、その後に代わる代わる動物たちがやって来て、いすの上にあるものを食べては次の動物のために自分の持っているものを置いていきます。「誰かのために」という思いやりの気持ちや小さな親切が溢れ、読んだ後に心にポッと灯がともる名作です。
図書館職員 深村 清美