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中・北空知人脈駅伝

ピアニスト 真保 響さん

深川市在住のピアニスト 真保 響さんをご紹介します。

第4回目 

お手製の素敵なソファーカバーを背に、終始笑顔の響さん。
お手製の素敵なソファーカバーを背に、終始笑顔の響さん。
第4回目は深川在住のプロピアニスト
真保 響さんです。
前回ご登場いただいたホーリーバジル生産者の中本一江さんからは「誰もが気軽に生の音楽に親しみを持てるよう地元での演奏活動に奔走されている素晴らしい方なんです!」とのお言葉をいただいています。
それでは真保さん宜しくお願いいたします。

――まず最初に、響さんと音楽との出会いはいつごろからでしょうか?
「響」という私の名前は作曲家の父が名付けました。
父は、北大教育学部で作曲を学んだ後、将来は作曲で食べていく筈が、祖父が倒れたことによって家業を継ぐために志半ばで断念しましてね、その夢を私に託して「響」と名付けました。「郷に音で響」、故郷で音楽を通して活動をして欲しいという願いがこめられています。
ピアノとか弦楽器は物凄く小さな時から始めることが大切なので、好きも嫌いもわからない3歳から父について弾き始めました。でも学年=練習時間という過酷な日々で、小学校6年生時は毎日6時間弾いていましたし、当然楽しくて弾いていた記憶はありませんね(笑)

深川で中学まで過ごし、その後は札幌の北星学園女子高等学校に進学、そして桐朋学園大学音楽部演奏学科ピアノ専攻に進み音楽漬けの青春時代を過ごしました。
大学を卒業して日々の課題から解放されてようやく音楽の楽しさを感じるようになりました。

音楽人生を変えた 札幌交響楽団アンサンブルとの出逢い

グランドピアノを弾く響さん。<br>
グランドピアノを弾く響さん。
――現在は北星学園女子高等学校音楽科と、拓殖大学北海道短期大学で講師をしながらプロとして活動されていますが、札幌ではなく深川にお住いになられている理由はなぜですか?
お名前にちなんでお父様の意向を汲んででしょうか?

暫く東京に居ようかと思っていましたが、自分の好きな曲を自由に弾ける楽しみを感じるようになると、集中してピアノを弾く時間が欲しくて。
一人で生活をするには諸々の時間がとられてピアノを弾く時間も減るわけです、ここに帰れば集中してピアノと向き合えると思いまして。
それにこちらで結婚もしましたしね(笑)

当時私が20代の頃は、道内各地、果ては釧路から、旭川、留萌からも音大を目指す有能な生徒さんが、うちに習いに来ていました。札幌には色々な理由で通えない人にとって、私が深川に居る意味があったんです。
更に音楽が楽しくなったのは30歳の頃、札幌交響楽団のアンサンブルに出逢ったことです。ソロは練習からコンサートまでたった一人、でもアンサンブルは音の会話です。仲間との間の取り方や表現の仕方すべてを共有して楽しめるんですよ。コンサートまでに3回ほどの合わせをしますが、それまでは、個々でコンサート当日のその瞬間を夢見てひたすら孤独な練習を頑張るんです。だからみんなが揃うその本番の喜びは、一人の時より何倍も楽しいの!
音大を出てもアンサンブル、ましてやプロとのアンサンブルの出逢いなどそうそう無いですが、その機会に恵まれた私は本当に幸運です。
ずっとここで活動を続けてきた今は、地元の人達との密なコミュニケーションをとれるので、皆さんが求めている音楽やここでしかできない音楽を提供できる良さがあります。
大きな会場での演奏は、観客からの感想ってなかなか聞く機会が無く終わってしまいますが、地元でのコンサートは直に観客と演奏者のコミュニケーションが取れるので、札響のメンバーからもアットホームで楽しい雰囲気のコンサートだと大変喜んでいただいています。
地元ならではのネットワークの基盤があるので、メンバーとのコンサートは深川のみならず滝川でも砂川でもそのアットホームな楽しさは変わらないです。

地域の芸術家との異色のコラボに挑戦!

札幌交響楽団 バイオリニスト三原豊彦氏と響さん
札幌交響楽団 バイオリニスト三原豊彦氏と響さん
――年間どのくらいコンサート活動をされているんでしょうか?ソロ活動は?
年間25回ほど道内各地を回って演奏します。メンバーは札幌交響楽団のメンバーの中から構成によってメンバーが変わります。15人位の仲間から、金管トリオ、木管トリオ、金管五重奏や六重奏や各種のトリオなんかでメンバーが変わるんですよ。学校などは、ある楽器が限られているのでパーカッションも喜ばれますね。
私は室内楽ピアニストだと思っていて、ソロもやれと言われたらやりますけど(笑)アンサンブルの方が楽しいですし、好きです。
ソロにはソロの良さがあるんですが、3人でやれば3倍の楽しさがある。一人っ子なので仲間とワイワイ楽しくやるほうが好きだし合っているんですよ。

――先日10月16日は、札響バイオリニスト三原豊彦氏と響さんによる初心者向けのバイオリン指導と、お二人のミニコンサートが行われましたね。
今年で5回目になります。初回の方もいれば何度も参加されているかたもいらっしゃいます。廃校になった学校の音楽室に眠っていたバイオリンなどを集めて、音符が読めない方でもバイオリンをまったく初めて触るという方でも気軽に参加していただけるワーショップです。
三原さん考案の音符のない特別な譜面で、優しく楽しくみんなで音を奏でましょう!というコンセプトです。

――実際に参加させていだきました。初のバイオリンでしたが、わかり易い譜面と優しい手ほどきを1時間受けたら、帰りにはナント!エーデルワイスが弾けるように!!まさか自分がバイオリンを弾くなんて!難しいけれど音が出ると物凄く嬉しくて楽しくて!
音符だと堅苦しくて難しそうだと敬遠しがちですが、本来音楽は音を楽しむものなので、そうやって楽器にしても音楽そのものに興味や楽しみを持つとっかかりになれば一番嬉しいです。

壁にはご自身の歴代コンサートのポスターが
壁にはご自身の歴代コンサートのポスターが
――ちなみにプライベートではどんな音楽を聴かれるんですか?
ジャズもポップスも演歌も良いものは良いし、なんでも聴きます。声楽も必修で学んだのでカラオケも歌いますよ!

――今後の活動の予定や夢などお聞かせください。
今まで深川やこの地域で色々な方面で活躍されている芸術家と音楽のコラボをやってきました。例えば、画家や読み聞かせの方、6月には書道家の三上石城さんとのコラボをしました。他ではやっていないような楽しいことをドンドンやっていきたいです。

響さん略歴 
(札幌ピアニストソサエティ)
札幌・深川・室蘭などにてリサイタル開催。小林研一郎指揮 日本フィルハーモニー、末廣誠指揮 札幌交響楽団とピアノコンチェルトで協演。三笠宮殿下来道に際し御前演奏など数多くのコンサートに出演。また室内楽ピアニストとしてブルックナー・オーケストラ主席メンバーとの共演をはじめ、全道各地にて札幌交響楽団木管・金管・打楽器メンバーと活発な演奏活動を行っている。

あとがき

プロのピアニストとお聞きして緊張気味にインタビューを開始しましたが、その緊張は一瞬で吹き飛ばされ終始笑いに包まれた楽しいインタビューとなりました。
お話を伺うと名は体を表すとはよく言ったもので、「響」さんには、それ以外の名前が考えられません。
若い時代に地元を離れ都会で多くの経験をつまれた後、故郷に戻り人材育成や音楽を通して人の輪を広げ地域に貢献されています。響さんの地元での地道な音楽活動のお陰で、クラシックやオーケストラは敷居が高くてという人にも気軽に生の音楽や楽器と触れ合う機会ができました。
音楽は会話と同じとおっしゃるように、堅苦しく考えないで音を楽しみましょう!そんなラフなスタンスに「音楽」の素晴らしさを改めて教えていただいた気がします。

いつも頭の中にはメロディーが流れているという響さんのリフレッシュ方法は、意外にもメロディー以外の音、すなわちドラマやラジオの会話を聴くことだそうです。

また趣味は野鳥観察。静かな森で鳥を見るのが大好きだそうです。
そしてご本人曰く「とてもおっちょこちょい」だそうで、繊細なメロディーを奏でる神経質なピアニストのイメージを良い意味で崩してくださる茶目っ気たっぷりの女性でした。
今後も新しい形での音楽と芸術コラボが楽しみです!楽しいお話をありがとうございました。

そして次にバトンを繋いでいただくのは?とお伺いしましたら・・・
長年フランスで活躍された優秀なシェフですが、生まれ育った故郷深川の人々と触れ合いながら、フランス料理を食べたことのない方にも、お箸で味わうことのできる家庭的なフランス料理をと頑張っているフレンチレストラン「ブランシュ・ネージュ」のオーナーシェフ瀬川健一さんをご紹介します!との事です。
次回もお楽しみに!」