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わが町のアーティスト&クリエーター紹介

『山麓遊窯(さんろくあそびがま)』櫛田菊治郎さん

手作りオカリナを製作されている櫛田菊治郎さんを紹介!

国道12号線沿いにある「道の駅たきかわ」で手づくりの「オカリナ」を見つけた。
涙滴状でぽってりとした手のひらサイズ。手に取ると土製なので見た目より重みがある。 素朴ながら愛嬌のあるフォルムはとても郷愁を誘い、土笛の優しい音色が想像できる。 作家は地元滝川「山麓遊窯」の櫛田菊治郎さん。 製作体験なども受け入れられている工房を訪ねてみた。

(取材日:2018/2/3)

道の駅たきかわ

道の駅たきかわ

ミニサイズ、ソプラノ、アルトの3種類のオカリナを販売している。

山麓遊窯

今年は雪が例年よりかなり多く、入口の看板がすっかり埋もれてしまっている。

道道564号線より100mほど入った場所に工房はある。

櫛田菊治郎さんにお話を聞きました。

「道の駅たきかわ」から更に山側奥へ進むと、民家を改造した工房がある。

迎えてくれたのは御年80歳になるというが、驚くほどお元気な櫛田さん。
聴けば元器械体操の選手だったそうで、高校の体育教師をされていたスポーツマン。
出身は宮城県。農家の三男として生まれ、福島大学を卒業した昭和35年に北海道の教員採用となり、十勝の広尾に赴任してからは各地の高校で教鞭をとる傍ら、バレーボールの顧問として長年活躍。

その後オカリナ作家への転身は何がきっかけだったのだろう。

“元々モノつくりが大好きで好奇心旺盛な性格。滝川北高校赴任中に、屯田窯の清水さんに習って陶芸を始めたんです。最初は食器を作っていたんだけれど、音楽や楽器にも興味があってね。そのうち楽器が欲しくなって、オカリナを試行錯誤しながら作り始めたんですよ。

いいでしょう? 自分の作ったもので音を楽しめるなんて。” と微笑む櫛田さん。

仕事は生活の糧、趣味は心の糧

定年退職してからは、この工房に手作りの焼き窯を備え日々陶芸に没頭しているという。
オカリナ用の粘土はこの近辺で採取し、釉薬(ゆうやく)も手作り。アルトやソプラノ等それぞれのサイズの石膏型が所狭しと置かれ、持ち前の器用さで工房の中はほぼ自力で改造。

便利な世の中に居ながらそれに頼らず、自然の恵みを大切にし、知恵と工夫で欲しいものを形にしてきた。
櫛田さんは言う。“平和だからスポーツも芸術も楽しめるんです。お金が有る無いじゃなくて平和だからこそ、心に余裕が持てるんです。だからこうして今趣味に没頭出来るのはとても幸せです。仕事は生活の糧、趣味は心の糧ですよ。”

便利な事に頼り過ぎるとその危険に気が付かずに過ごしてしまう

櫛田さんの作る作品は、オカリナの他には食器類もあり、新十津川の陶芸祭りで販売している。工房2階にある展示室には、数種類のオブジェが並べられており、どれもメッセージ性の強いものばかりだ。

一番目を引いたのは、チェルノブイリ原発事故後に生まれた子供の像。放射能汚染を受けた母体から生まれた子供の悲痛な叫びを形にしたものであり、その他にも反原発メッセージを訴えるオブジェがある。

故郷が宮城県であり、東日本大震災の被災にも強く心を痛められた。便利である事の背中合わせに危険があり、便利な事に頼り過ぎるとその危険に気が付かずに過ごしてしまう。
昔ながらの質素で丁寧な暮らしをしていれば、自然の恵みや、その景色の移り変わりの美しさや、人との触れ合い、優しさ、温かさをしっかり感じ取ることが出来る筈。

それこそが平和であり豊かさの象徴なのだと、そのオブジェをみて櫛田さんの思いが伝わってきた。

雪女研究所???

外に出て今一度工房の入り口を見てみると、「雪女研究所」の看板が。「え??」と目を疑うと、“ここら辺には神話や昔話がないでしょう?だから雪女を研究しているんですよ。

一説には見た人が居るらしいですからね。フフフ” と怪しげな笑みを浮かべる櫛田さん。

今後研究の成果が楽しみなような、怖いような何とも言えない気持ちで工房を後にした。

山麓遊窯では体験を受け入れており、オカリナ製作や陶芸を実施してる。

無心になって土をこね、時間をかけて形成したものを乾燥させ、何時間もかけて焼きあげる。

出来上がったオリジナルの作品で音を奏でたり、食事をしたりする醍醐味を是非多くの方に味わって頂きたい。

 

体験

オカリナ・・・1回2時間程度×2回 1人3,500円

陶芸・・・・・作るものによるので要相談

 

文責:中川悦子

工房見学、オカリナ製作体験のお問い合わせ先

櫛田菊治郎(自宅) 0125-75-6242

〒079-0462 北海道滝川市江部乙町西11-9-54

 

山麓遊窯へはこちらのリンクからスマホのナビを利用されることをお勧めします。